近年、日本では”健康意識”が高まり、「無添加食品」「糖質制限」「自宅でのトレーニング」「ジム通い」など、食事や運動を通じて健康を維持することが重視されています。
これらのトレンドは、新型コロナウイルスの影響により外出が制限され、多くの人々が自身の体型や健康に関心を持つようになったことに起因すると考えられます。
しかし、健康は個人の基盤であり、健康であることは損になることはありません。永続的な健康を保つことは人間の本能的な欲求であり、当然のことです。
今回は、サウナが健康に及ぼす効果について紹介し、皆様の健康意識をさらに高めることができれば幸いです。
加藤容崇.【医者が教えるサウナの教科書】.ダイヤモンド社.2020.3.4発行
今回も、サウナ本のベストセラー作品の文章を引用・参考にさせていただきました。
今回の記事で伝えたいポイント! |
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1.日本の公衆浴場は”世界に誇る財産”である! 2.サウナは”心身の健康”に効果を及ぼす! 3.サウナは”毎日入る”のが健康に良い! |
日本人は『高血圧患者が多い』。
「最近血圧が高くてね~」よく聞くこの言葉、聞きすぎて基本的に聞き流していませんか?
実は、『日本人の3人に1人が”高血圧”』という現状を皆様はご存じでしょうか?
「この年になるとみんな高血圧だもんね。」周りの人が高血圧だからと言って安心してはいけません。高血圧は、生活習慣病の一種で、日本人の死因の上位である『心疾患』『脳血管疾患』を発症するリスクが上がります。
日本人に高血圧が多い理由はやはり“塩分過多”であります。
日本人は、「ラーメン」「味噌汁」「塩辛いおつまみ」など、塩分が多い食べ物が大好物であります。
塩分を過剰に摂取すると
塩には『水を引っ張る性質』があります。塩分を取りすぎると、血液中の塩の量が多くなり、周辺の細胞から水を引っ張り、血液量が増えます。血液量が増えると、血管の内側の壁にかかる圧が高まり高血圧になります。
サウナに入ると”汗をかく”
サウナに入り“汗を大量にかく”ことにより、「塩分と水分が排出される」うえに、「血管が拡張」し物理的に高血圧になる要因を排除することができます。
サウナは『世界に誇る日本の財産』である
つまりサウナに入ることで、『高血圧を物理的に排除できる』と筆者は言います。
日本は“銭湯文化”により、サウナのインフラが整備されています。実際にサウナを併設する公衆浴場は1000軒以上存在し、いつでもどこでも安価でサウナを利用できる環境があります。
これは、『世界に誇る日本の財産』であり、高血圧の多い日本人にとっては非常にメリットであると筆者は言います。
サウナは『血管のエクササイズ』になる?
日本人の死因第2位は“心疾患”です。心疾患の原因となる生活習慣病の一つに“動脈硬化”が挙げられます。動脈硬化は、血管が伸びたり縮んだりする、伸縮性がなくなることで起こります。
その伸縮性を出しているのが、血管の膜や平滑筋と言われる筋肉です。
動脈硬化が進むと、本来弾力のあるゴムのような血管がカチカチになり、他の臓器や心臓へと血液を送り込むことができなくなります。その分、心臓への負担は増え心疾患へとつながると言います。
しかしサウナに入ることで『自律神経』が刺激され、血管が強制的に伸び縮みされます。
自律神経は、『交感神経』と『副交感神経』の二つに分類されます。血管は、交感神経が優位になると『収縮』し、副交感神経が優位になると『拡張』します。
サウナにより、交感神経や副交感神経が活性化され、血管が収縮や拡張を繰り返すことで、血管の筋肉や膜を鍛えるいわいる“血管のエクササイズ”が行われ、動脈硬化の防止や改善につながります。
サウナは『認知症の原因物質を洗い流す』?
『毎日サウナに入る人は、週に1回以下しかサウナに入らない人に比べ、軽度の認知障害になるリスクが66%も低かった』
これは、東フィンランド大学が行った研究により解明された結果です。
なぜ、このような結果になったのかメカニズムは明らかにされていないとのことですが、筆者は、『サウナにより認知症の原因物質を洗い流す』ことにより起こった結果と考察しています。
1つ目の考察は、『サウナに入ることで水分をはじめとする物質の交換が促進され、不要なものが洗い流される』
2つ目の考察は、『ノンレム睡眠時間が増え、脳脊髄液により脳をクリーニングする』ことにより、不要となった老廃物を洗い流しているのではないかと言っています。
いかんせん、メカニズムは解明されておりませんが、結果だけをみるとサウナにより認知症を予防する効果があることは間違いないでしょう。
サウナは『うつ病を防止』する?
これまで、サウナが身体に影響を及ぼすことを強く訴えていましたが、実はサウナには精神にも良い影響があると筆者は言います。
これらは、先行研究や論文で明らかになっているわけではありませんが、『サウナはうつ病を防止・治療する効果がある』のではないかと言われています。
筆者がとある重度のうつ病患者さんに同意のうえで、サウナに一緒に入ったところ、入る前は動きや会話のスピードが遅くうつ病の症状が出ていたにもかかわらず、サウナに入った2セット目以降は、動きや会話のスピードが上がり劇的な変化を見せたと言います。
実際に、『サウナは、マイルドなうつ病の人に効果がある』というレポートもあるようで、サウナはうつ病に効果がある治療法として、これから解明されるメカニズムが気になるところです。
サウナは『風邪をひきにくく』する?
サウナに入ると“HSP″と言われる、体内の細胞を修復する物質が分泌されます。
それらは、『免疫細胞をも修復し活性化』します。その結果、免疫力があがり、風邪や感染症などにかかりにくくなると筆者は言います。
先行研究によると、サウナに週2回入るグループとそうでないグループでは、後者に比べ、前者では”約50%も風邪にかかる率が低かった”と報告されているようです。
健康効果から考えるサウナに入る”頻度”とは。
以上の、サウナが健康に及ぼす効果ですが、気になるのは“どれくらいの頻度で入ると良いのか”です。
先行研究によると『サウナは、入る日数が多いほど心筋梗塞や認知症、アルツハイマー病のリスクが下がる』と言われてます。これは、アメリカのメイヨー・クリニックが発表したレポートのようです。
以下の表は、メイヨー・クリニックの研究報告です。サウナに入る頻度が、
1回/週と4~7回/週を比較した結果 |
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・心筋梗塞は52%減少 ・アルツハイマー病は65% ・認知症は66%減少 ・うつ病を主とする精神疾患は77%減少 |
という結果になっており、『サウナに入る頻度が多いほど健康に効果を及ぼす』とされているようです。
結果、“毎日入る方がいい”と筆者は言います。
まとめ
いかがでしょうか?
健康意識が高まる日本では、食や運動に対する習慣が注目を集める中、『サウナ』もその一つの健康習慣になることが今回の記事で分かっていただけると幸いです。
『サウナ=おじさん』そんな時代は終わりました。
今は、サウナブームも追い風となり『サウナ×健康』『サウナ=健康習慣』となりつつあります。
健康に対する、新しい食や運動を取り入れることは本当に良いことだと思います。
ですが、銭湯文化が受け継がれる日本で、この財産を活かし『健康』を考えることも重要なことだと考えます。
“日本の温浴施設は財産である”
この素晴らしい現状を守り、そして広め皆さんの健康の一助となることができればと思います。
今回の記事で参考・引用させていただいた、
加藤容崇.【医者が教えるサウナの教科書】.ダイヤモンド社.2020.3.4発行
今回も、サウナ本のベストセラー作品の文章を引用・参考にさせていただきました。
本当に面白く、そして何より“さらにサウナが好きになる”そんな素晴らしい本でした。この本では、今回紹介した内容よりももっと詳しい内容が書いてありますので、是非皆さんも読んでみてください。
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