疲れは国民病?
厚生労働省の疫学調査によると、一般地域住民の4割近く(39.4%)が「疲れを感じる」と回答しており、それらのほとんどが『半年以上続く慢性的な疲労』を自覚している。¹⁾
一般社団法人日本リカバリー協会は、全国10万人を対象に「日本の疲労状況」を調査したところ、約80%の人が『疲れている』または『慢性的に疲れている』と回答している。²⁾
このように、日本人の多くの人が日常生活の中で『疲れ』を感じています。そして疲労は、睡眠や食事などにより1日でとれればよいのですが、疲労が長期に持続する『疲れの慢性化』を起こしています。
『疲れ』とは、そもそもたくさんのストレスが体や心にかかった結果により起こるものとされます。
「休息、仮眠で治る」「一晩でとれる」「週や月単位で長く続く」「病気が原因」など、それぞれ疲れの程度や種類によってメカニズムは変わります。
ですが、『疲れ』というものは嫌な感覚ですが、これが無いと人間は休みなく動き続け、やがて過労死してしまいます。ですので『疲れ』とは、心身の以上を教えてくれる大切な“警報装置”とも言えます。
『疲れ』を起こす要因とは?
先ほども述べましたが、疲れとは“ストレス”が体や心にかかった結果により起こるものとされています。心身にかかるストレスは人それぞれですが、大まかに以下の要因が挙げられます。
【疲れの要因・ストレス】 |
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☑不摂生 ☑睡眠不足 ☑運動不足 ☑過負荷の運動 ☑肩こり・腰痛 ☑血圧の以上や内臓障害 ☑人間関係 |
このように、疲れの要因・ストレスは様々です。問題は、これらの疲れやストレスを持続させないこと『疲れの慢性化』を作らないことです。
ですので軽度の疲労感のうちに、解決策を図るべきです。その解決策の一つとして『サウナ』が挙げられます。
対象別の効果解説
なぜ、サウナが『疲労』『疲れ』『ストレス』を軽減するのか?
その効果や心身に与える生理学的変化は様々です。詳しくは以下の記事をご参照ください。
基本的な入り方
サウナは、『熱いサウナ』と『冷たい水風呂』を交互に入る『温冷交代浴』です。
【サウナの基本的入り方】 |
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☑熱めのサウナに入る(推奨:8~12分) ☑水風呂に入る(推奨:1~2分) ☑休憩とる(推奨5~10分) ※上記を1セットとして 2~3回繰り返します(推奨) ※サウナの直後は、水分補給をします ※浴後は30分ほど安静にします |
【サウナ入浴禁忌の方】
〇高血圧の方の長時間の高温浴
〇生活習慣病(糖尿病・脳卒中の既往・心臓病・高血圧)のある方
〇飲酒・泥酔状態の方
※高血圧や生活習慣病の既往や現病がある方は、主治医へ許可を仰いでください。
それでは、心身にストレスを与えている状態(疲れがある状態)のストレスを解消するサウナの具体的効果について解説します。
スポーツやトレーニングによる肉体疲労の回復
“サウナに入ると血流が安静時の2倍近く亢進する”
全身にいきわたる血管・毛細血管の血流量が増えると、細胞や血管内に蓄積する疲労物質(乳酸)や痛みの物質(ブラジキニンなど)が流されます。また、エネルギー再生さんがされるため、疲労回復や痛みの改善につながります。
※捻挫や肉離れなど熱や脹れがある急性の場合は、炎症症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。
肩凝りや筋肉痛
“肩凝りや筋肉痛の原因は、おもに筋肉の過度の緊張(筋肉が硬い状態)や血流の不足”によるもの。
サウナに入ることで、血行が良くなり筋肉内を巡回する血液量が増え、筋肉の硬さにより狭くなった血管を拡張させ、疲労物質や痛みの物質を流します。また、汗と共に疲労物質(乳酸)などは排出されるため、肩凝りなどの症状が改善します。
血圧に悩む人
【反復効果】
低血圧の人は、水風呂は入らなくともサウナ浴だけで調子の良さを感じます。
ですが、サウナと冷水の交代浴により血圧を正常に戻す効果があります。
高血圧の人は、サウナ入浴には注意が必要です。入浴直後の血圧の初期上昇を防いだり、高温持続浴で心臓に負担を掛け過ぎないようにしましょう。
【一時的効果】
入浴直後は、一時的に血圧が上昇しますが、その後血管が拡張子し最高血圧・最低血圧がともに低下します。高血圧の人にとってはうれしい効果ですが、入浴後は次第に普段の血圧に戻ります。
活力不足(自律神経失調症)
“温冷交代浴は自律神経の働きを活性化して生理機能を高める”
「早起きがつらい」「食欲がない」「活気がない」「眠りが浅い」「些細なことでいらいらする」このような、鬱傾向や活力低下の方は、サウナによる交代浴がおすすめです。
これらのの活力不足は、自律神経が大きく影響します。サウナは交感神経・副交感神経を活性化させます。熱いサウナ・冷たい水風呂では交感神経、そんな危機的状態から脱却した外気浴では副交感神経が活性化し、自律神経のメリハリをつけることで活力不足を改善します。
まとめ
今回は、『疲れ』に焦点をあて、具体的に疲れを起こすストレスの原因に与えるサウナの効果についてご紹介させていただきました。
日本人の4~8割の人が日常生活で『疲れ』『疲労』を感じています。そして、それらが半年以上持続しており、『疲れの慢性化』を引き起こしています。
『疲れ』は人間の警報装置として重要な生理機能です。
ですが、『疲れの慢性化』を防ぎ、清々しい日常を送ることが求められます。
その『慢性化』の前の『軽い疲れ』の状態でサウナを行うことで慢性化を防ぐことができます。
サウナで何より重要なことは、サウナは、『熱いサウナ』と『冷たい水風呂』を交互に入る『温冷交代浴』ということ。
基本的な入り方を行うことで、様々なストレスを退治し『疲れの慢性化』を防ぎましょう!
参考文献
1)倉恒弘彦. 慢性疲労症候群の実態調査と客観的診断法の検証と普及 厚生労働科学研究 障害者対策総合研究事業(神経・筋疾患分野)平成24年度報告書 p1-29, 2013年3月.
2)全国10万人調査から「日本の疲労状況」を発表世代別で最も「慢性的に疲れている」のは20代・30代とくに女性は5割以上と深刻にfile:///C:/Users/FUJITSU/Downloads/d85299-4-4a0df7cc2560b347bf27d64c1f4d8fd7.pdf.一般社団法人日本リカバリー協会.2022 年 3 月吉日
3)知っておきたいサウナ・スパの健康知識 公益社団法人 日本サウナ・スパ協会
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